〔胃腸内科、外科、内科、肛門外科、整形外科、リハビリテーション科、耳鼻咽喉科、循環器内科、皮膚科、泌尿器科/富山県高岡市 〕
同院では、客観的かつ明確な人事評価システムの構築をめざし、2024年7月より「ドクターズ・ファイル クリニコ」を導入した。当初は「評価基準の作り方がよくわからず、面倒だなと感じていた」と話す塚田院長だが、システム構築を通じて改めて医院の理念やめざす方向性が明確に。今後の運用に期待を持っているという。

納得感のある人事評価を行うための足がかりができました。
以前はスタッフの人事評価は私と妻がそれぞれ行い、2人の見解をすり合わせて最終評価を決めるという方法を取っていました。ですがそれだとどうしても主観による評価が主になってしまい、昇給の根拠がスタッフに伝わりづらく、上げ幅についても納得されにくいのではという懸念が常々ありました。そこで、もっと客観性があって基準が明確な評価制度を構築する必要があると痛感していたのです。それによってスタッフの仕事へのモチベーションが上がり、「自分がこれだけ頑張ったから給与に反映されたのだ」という風に前向きに捉えてもらえればと考えていました。しかしながら、実際に評価の基準づくりを始めようとしても、作業ボリュームが膨大でなかなか着手することができません。また私たち医療従事者は人材マネジメントについてはプロではありませんから、自分が考える評価制度が本当に正しいという確信が持てず、日々の診療の忙しさもあってつい後回しになっていました。そんな折に「ドクターズ・ファイル クリニコ」の存在を知って興味を持った次第です。
もともと人事評価制度については評価軸の作り方のイメージができず、なんとなく「面倒そうだな」と思っていました。ところが、担当の方に「医院の理念をベースに評価軸を作ってはいかがですか」とアドバイスを受けたことで意識が変わりましたね。それまではスタッフの態度や働き方など、見える部分で評価しようと考えていたのですが、その手前に「医院の理念」という大事な軸があり、その理念を実現するための行動こそ評価すべきだと気づいたのです。これを元に評価項目を作成していけば、良い評価制度ができそうだと納得できたため、導入しようと決断できました。実際に、それ以降はスムーズに制度構築ができたんですよ。
医院の理念を元にした評価項目ができたことで、自分自身もスタッフを評価する際の基準がはっきりして、スタッフに評価理由を説明しやすくなりました。そのおかげか、以前は1人あたり20分ほどかかっていた面談が、5〜10分程度で済むようになったんですよ。評価項目があることで話す内容が明確になりましたし、クリニコのデータを見ながら話せることも時短につながっているのだと感じています。スタッフからの要望は以前も面談の際に聞いていましたが、データを元にこちらからも要望を伝えやすくなりましたね。今はまだ試験導入の段階なので、全スタッフに対しシステムを活用しきれているわけではないですが、今後、必要性を理解してもらえればもっとシステムが役立つと考えています。私たちが何をめざして診療をしているのか、すでに気持ちに変化が現れているスタッフも見受けられます。活用しやすくするために、こちらからも改善提案をして、システムのさらなるブラッシュアップに期待したいですね。